7章 塗装改修工事
8節 2液形ポリウレタンエナメル塗り (2-UE)

7.8.1 適用範囲 この節は、屋外の鉄鋼面、亜鉛めっき鋼面、コンクリート面及び押出成形セメント板面に既存塗幕が2液形ポリウレタンエナメルの場合の塗替え及び新規に塗る場合に適用する。
7.8.2 鉄鋼面の2液形ポリウレタンエナメル塗り (a) 鉄鋼面の2液形ポリウレタンエナメル塗りは、表7.8.1 による。ただし、制作工場で加工した部分の下塗りは、(b)(2)による。
(b) 新規鉄骨(鉄鋼面)等の下塗り
(1) 下塗は、製作工場において組立後に行う。ただし塗装困難となる部分は、組立前に下塗を行う。
(2) 制作工場で加工した部分の下塗りは、ディスクサンダー又は研磨紙P120程度で金属素地面が現れるまで錆等を除去、しエポキシ樹脂塗料(1種下塗塗料)を2回塗りのうえ、エポキシ樹脂雲母状酸化鉄塗料を1回塗る。
(3) 現場組立後、現場接合部及び組立中の下塗損傷部は、ディスクサンダー又は研磨紙P120程度で金属素地面が現れるまで錆等を除去、しエポキシ樹脂塗料(1種下塗塗料)を3回塗る。
7.8.3 亜鉛めっき鋼面の2液形ポリウレタンエナメル塗り (a) 亜鉛めっき鋼面の2液形ポリウレタンエナメル塗り表7.8.2 による。ただし、鋼製建具(亜鉛めっき鋼面)の下塗りは、(b)による。
(b) (1) 見え隠れ部分は、組立前の部材のうちに下塗りを行う。また、見え掛かり部分は、組立後、溶接箇所等を修正し、ディスクサンダー又は研磨紙P120程度で研磨し、下塗りを行う。
(2) 工事現場において取付け後、汚れ及び付着物を除去し、損傷部分は、ディスクサンダー又は研磨紙P120程度で金属素地面が現れるまで錆等を除去しエポキシ樹脂塗料(1種下塗塗料)を1回塗る。
(3) 鋼製建具に用いる鋼板類で鉄鋼面の場合は、7.8.2(b)の工法による。
7.8.4 コンクリート及び押出成形セメント板面の2液形ポリウレタンエナメル塗り コンクリート及び押出成形セメント板面の2液形ポリウレタンエナメル塗りは、表7.8.3 により、種別は特記による。

表 7.8.1 鉄鋼面2液形ポリウレタンエナメル塗り
工程 種別 塗料その他 塗付け量
(kg/u)
A種 B種 規格番号 規格名称 種類
下地調整 - 表 7.2.2 のRB種
- 表 7.2.2 のRC種
1 下塗り
(1回目)
JASS 18
M-109
変性エポキシ樹脂プライマー 0.14
2 下塗り
(2回目)
- JASS 18
M-109
変性エポキシ樹脂プライマー 0.14
4 中塗り JIS K 5657 鋼構造物用ポリウレタン樹脂塗料 中塗用 0.14
5 上塗り JIS K 5657 鋼構造物用ポリウレタン樹脂塗料 上塗用 0.10

(注) 1 JASS 18 M-109 は日本建築学会材料規格である。



表 7.8.2 亜鉛めっき鋼面の2液形ポリウレタンエナメル塗り
工程 種別 塗料その他 塗付け量
(kg/u)
A種 B種 規格番号 規格名称 種類
下地調整 表 7.2.3 によるRB種
表 7.2.3 によるRC種
1 下塗り
(1回目)
JASS 18
M-109
変性エポキシ樹脂プライマー 0.14
2 中塗り JIS K 5657 鋼構造物用ポリウレタン樹脂塗料 中塗用 0.14
3 研磨紙ずり 研磨紙P320
4 上塗り JIS K 5657 鋼構造物用ポリウレタン樹脂塗料 上塗用 0.10

(注) 1 種別がA種の場合は、下地調整の工程5「エッチングプライマー塗り」を省略する。
2 JASS 18 M-109は、日本建築学会材料規格である。


表 7.8.3 コンクリート及び押出成形セメント板面の2液形ポリウレタンエナメル塗り
工程 種別 塗料その他 塗付け量
(kg/u)
A種 B種 規格番号 規格名称 種類
下地調整 表 7.2.6 のRB種
表 7.2.6 のRC種
1 下塗り JASS 18
M-201
反応形合成樹脂ワニス(2液反応形エポキシ樹脂ワニス) 0.08
4 研磨紙ずり 研磨紙P240
5 中塗り JASS 18
M-403
2液形ポリウレタンエナメル用中塗り 0.14
6 研磨紙ずり 研磨紙P4000
7 上塗り JIS K 5656 建築用用ポリウレタン樹脂塗料 0.10

(注) 1 種別がB種の場合は、下地調整の工程5「吸込止め」を省略する。
2 JASS 18 M-201及びM-403 は日本建築学会材料規格である。